トップメッセージ

2024年3月期第3四半期を終えて

前年同期比増収増益 事業環境は堅調

代表取締役社長 中西 聖

 2024年3月期第3四半期は、海外の地政学リスクの顕在化や世界的な需給バランス、インフレ等の影響による原材料高を起因とする相次ぐ材・サービスの値上げ、日銀の金融政策の修正による長期金利の上昇圧力など、経済環境に影響を及ぼす様々な要因が重なり合い、引き続き経営判断が難しい経済環境となりました。一方で、新型コロナウイルスの5類への移行などにより、経済活動が本格再開し、コロナ前に回復した訪日外国人によるインバウンド需要や所得環境の改善による個人消費の回復、好調な企業収益を背景とした設備投資、とりわけソフトウェア投資などにより、景気は緩やかな回復基調となりました。

 

 

 

 当社は、ホールディングス化とともに、DXを基軸とした事業活動を一層強化し、DX推進事業を当社グループの成長の柱として明確化しました。
 DX推進事業では、顔認証プラットフォームサービスのソリューション(顔認証デバイス)導入の拡大やDX支援(クラウドインテグレーション、システム受託開発)の新規案件受注拡大に注力し、順調に案件数を拡大させ、大幅に売上高を伸ばしている状況となっています。
 また、当社グループの収益の柱であるDX不動産事業では、DX不動産会員数を当事業における事業コアとして位置づけ、事業拡大のための重要なストックデータとして、この数の増加に注力し、順調に拡大してきています。会員の不動産投資の強いニーズを的確に捉え、デジタル技術で生産性・効率性を向上した営業活動を行ったことや会員数増加によってストック収入(管理手数料など)が増加したことなどにより、前年同期と比較すると増収増益で推移するなど、業績は順調に進捗し、グループ全体として第21期業績見通しもつくような状況となってきました。

 

 

~生成AIの技術を応用~

 

 PwC 社が行った国内企業を対象とした調査*では、生成 AI に対する認知度が大幅に高まる中、生成 AIを活用中または推進・検討中の企業が全体の 87%に達しており、91%が他社事例に関心があると挙げられています。生成 AI の本格導入時期については、58%が今後 1 年以内の本格導入を検討しているとなっており、企業によっては数億~数十億円規模の予算を計画している状況となっています。その一方で、社外や社内の業務で実際に活用している企業は 18%にとどまっているのが現状であり、成長ドライバーの一つであるDX推進事業では、これをビジネス機会と捉え、生成AIの技術を応用し、事業成長していく所存です。
 直近では、最先端のAI技術を持つMichikusa株式会社と生成AIを用いた企画・研究開発業務を共同で実施する業務提携契約を締結し、当社グループのバーナーズ株式会社では、AIワークショップ及びAI活用ショールーム環境を活用し、法人向けの生成AI活用研修、生成AIの技術を応用した企画・研究・開発・設計・生産やAI活用人材の創出を行っていく「バーナーズ生成AIラボ」を開始するなど、AI技術をサービスに活用して事業展開していくことで、顧客の生産性向上に貢献し、事業価値を飛躍的に伸ばしていきたいと思っています。
 加えて、DX不動産事業においても生成AI技術を活用して業務を行い、更なる効率化と事業規模拡大、このノウハウをDX推進事業にフィードバックすることによって同事業が質高く成長するというグループシナジー最大化を図っていきます。
*PwC「生成AIに関する実態調査2023 秋」より引用

          

      

 

 

今後の方針 

~スマートシティを目指しオール顔認証マンションの増加で快適な生活を実現~

 

 DX推進事業では、顔認証プラットフォームサービス「FreeiD(フリード)」を開発し、2021年1月からプロパティエージェントの開発マンションでの全面導入を実施し、2022年からは他社開発マンションに向けた導入も行っています。最近では、三菱地所や安田不動産等の大手デベロッパーにも導入が広がり、標準採用される案件も増加しております。
 この拡大により、現在では、オール顔認証マンションで40棟程度、オール顔認証マンションを含む顔認証導入マンションで60棟程度の導入実績を上げています。これは、当社グループのアセットへの付加価値の提供拡大のみならず、他社開発・管理のアセットへの付加価値提供が拡大していることを意味しています。今後は、この付加価値をさらに拡大させてユーザーに提供すべく、新しいサービス、具体的には、入退・本人確認・決済のみならず、ポイント収集・クーポン発行などを可能にする『マルチプラットフォーム』となるべくサービスの開発にも着手していきます。また、この付加価値の提供の輪を拡大すべく、パートナー企業も着実に増加させており、現在では、「FreeiD」の提供可能性があるマンション戸数は200万戸を超える規模になってきていると当社グループでは試算しています。
 今後も、当サービスは、新規受注を伸ばしつつ、様々な様態の導入実績を積み上げることで、そのサービスの可能性を拡大し、これに認知度アップを掛け合わせ、中期的な成長に寄与するよう活動していきます。

                                                                                                                                                    

             

 

 

積極的なM&Aの検討と事業拡大

 

 ホールディングス化後、より一層注力する領域となるDX推進事業は、現体制においても前事業年度の2倍近い成長をできると考えていますが、これをさらに伸ばすべく、今後も積極的にM&A及び優秀な人材の獲得に注力していきます。ホールディングス化による事業体制の明確化により、多少なりともあったであろう不動産事業のDXを推進している子会社、というイメージは全く無くなりました。そのため、足許ではM&A案件の相談件数も増加傾向にあると感じています。今後は、これら案件を着実に実現していき、DX推進事業の加速度的な成長を目指すとともに、ソフトウェア投資の強いニーズにより受注が好調なクラウドインテグレーション・システム受託開発も、顧客のニーズを的確に捉えることで案件数を拡大し、M&Aによる拡大と受注案件数増加による拡大の2軸で、飛躍的に伸ばしていきたいと考えています。

 

 

~DX不動産事業での売上高1,000億円を目指し、M&Aを実施~

 

 DX不動産事業単体にて、売上高1,000億円を目指すことを目標に事業運営しておりますが、この目標につきましては、現在においても変わりない目標となっており、遅くても2029年頃には達成したいと考えています。この目標に対し、外部環境を見ると、安定投資商品としての収益不動産の認知度向上、ニーズの高まりは十分に感じており、また、社内体制としても安定的に拡大するDX不動産会員数という基盤、DXにより効率化された事業運営体制という成長に向けた土台は整いつつあります。そのため、ストックデータとなるDX不動産会員数の拡大と物件の確保、その他必要リソースの確保により前倒ししていくことを考えながら、事業の推進をしています。当事業においても、ストックデータとなるDX不動産会員数の拡大と流通物件の確保能力獲得に貢献することから、株式会社AKIコマース及び子会社である株式会社アソシア・プロパティを2024年1月に子会社化・孫会社化しました。このM&Aの効果を最大限発揮し、ミガログループでの更なる企業価値向上を目指していきます。

 

 

~還元方針の維持~

 

 当社グループは、ホールディングス化前の従前体制においても、自社株買いや大幅増配など、株主の皆様への還元を充実させてまいりました。当事業年度もグループの基幹であり、当社の実質的前身であるプロパティエージェントの20周年を記念した配当を入れて、増配の予想を出させていただいています。昨今は、PBRやROICなど株主資本に対する注目がより一層高まっていると当社でも認識しており、資本政策や株主の皆様への還元は当社の重要な経営課題の一つと認識しています。ホールディングス化後も柔軟な資本政策をとり、株主の皆様の満足度が向上するよう継続的に検討してまいる所存です。

 

 今後とも、より一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

2024年2月