トップメッセージ

2026年3月期を終えて

早期収益化によりDX推進事業大幅な黒字計上、過去最高売上高、営業利益更新

代表取締役社長 中西 聖

 2026年3月期の日本経済は、米国政府の関税政策による影響や世界経済の減速懸念などにより、景況感にネガティブな状況が一定は続きました。一方で、エネルギー価格の低下や円安による海外事業の円建て収益増加などにより、企業の景況感は良好な状況が続き、人手不足を起因とした賃上げによる所得環境の改善と堅調な個人消費、極端なインフレの鈍化なども見られる状況となりました。また、人手不足改善に向けた省人化やDX化のためのソフトウェア投資も高い水準で推移するなど、様々な動きが見られる状況となりましたが、ミガログループにとっては全体として良好な事業環境が継続したと考えています。

 このような経済環境、事業環境の中、当社グループは、DXを基軸とした事業活動の強化に加え、AIによる事業再構築とサービス展開に注力し、DX推進事業においては、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の導入拡大や収益性を高めるためのAIの活用と事業を支える優秀な人材の採用、積極的なM&Aなどを行い、事業は非常に順調に推移しました。結果として、2027年3月期の黒字計上を計画していたものの、2024年来の先行投資を着実に実らせ早期に収益化が実現したことにより、DX推進事業単体として大幅な黒字を計上し、過去最高の営業利益3億円強で着地いたしました。

 DX不動産事業においては、長期金利上昇圧力という事業影響があるものの、強い賃料上昇を背景とした堅調な収益不動産のニーズに対し、的確な対応を行い、またAIを活用して業務フローの見直しを行うことで生産性の向上を図るなど、売上、利益拡大に向け事業を推進したことで、堅調な業績を継続することができました。

 以上のように、業況は順調に推移し、DX推進事業は先行投資の早期の結実による黒字計上により利益貢献を、DX不動産事業は不動産価格の上昇のみならず人的資本経営の強化とDXによる一人当たり販売件数の増加という生産性の向上により利益貢献をそれぞれし、結果として2026年3月期の業績は、売上高575億円、営業利益30億円といずれも当社グループ過去最高を更新することとなりました。

 

 

 

 

~3年連続 FreeiD Payを用いた「顔ダケで、買い物。」を「SHINAGAWA TECH SHOWCASE」で実証提供~

 

 顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD(フリード)」は、2021年1月に1棟目の顔認証マンションが竣工してから、当社グループで開発するマンションへの全面導入を開始し、その後、全国のマンションデベロッパーへの営業を強化してまいりました。マンション向け導入では、三菱地所レジデンスや三井不動産レジデンシャル、大和ハウス、野村不動産、東急不動産など大手デベロッパーが開発する物件への導入が拡大し、2026年3月末で98社との取引実績、導入マンション棟数は376棟と飛躍的に実績を上げてきました。

 顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD」は、単なるマンションの鍵としての機能だけではなく、一つの顔IDをプラットフォームで管理することにより、「顔ダケで、世界がつながる。」という世界観を実現することをビジョンに掲げています。このビジョンのもと、品川インターシティで開催する「SHINAGAWA TECH SHOWCASE」に3年連続で出展し、顔認証決済サービス「FreeiD Pay」の実証提供に加え、今回は初の試みとなる店舗外購買の新たなスタンダードに向けた実証体験「顔ダケで、自販機。」の実証提供を行いました。

 この取り組みは、東京MXテレビのニュースにも取り上げていただき放映されました。

 動画公開サイトURL:https://freeid.dxyz.co.jp/solution/payment/vendor/

 

 

 顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD」は、単なる鍵としての機能だけではなく、一つの顔IDをプラットフォームで管理することにより、「顔ダケで、世界がつながる。」という世界観の実現を目指し、現在では、様々なシーンでの実証事業にチャレンジしており、今後はマンションの鍵以上の付加価値を提供できるよう、事業開発にも専念しているところです。

 

 

~「商談分析AI」の無償提供開始~

 

 ミガログループでは、グループ全体でAI活用を推進していますが、この度、デジタルインテグレーション事業の中核会社であるアヴァント株式会社と株式会社TIEROにて、商談動画をAIで分析するソリューション「商談分析AI」の無償提供の受付を開始いたしました。

 製品WebサイトURL:https://inhouseai.migalo.co.jp/shoudanai

 

 

 このAIソリューションは、当社グループにおけるDX不動産事業の営業現場にて活用したナレッジを展開するものとなっています。不動産業界における営業活動は、商談内容の可視化の不十分性や個々の担当者の経験・スキルに依存する属人化が長年の課題となっており、当社グループDX不動産事業中核会社であるプロパティエージェント株式会社においても、同様のことから個々の教育コストの増加やCRMへの入力負荷による営業活動の圧迫などが発生していました。これらの課題を解決するため、自社グループでの実用を前提に、不動産営業に特化した「商談分析AI」を独自開発し、現場のリアルな声を適時的確に反映し、営業の効率化と「勝てる営業」の仕組み化を実現することができ、実際に営業人員一人当たり販売件数の増加につなげることができました。このAIソリューションは、この成功体験をもとにDX推進事業にて横展開するというシナジーの発揮により実現したものとなります。

 

 

【業務効率の向上】

・議事録作成工数95%削減

・CRMへの入力工数の大幅カットで、商談に集中できる環境を構築

 

【教育・育成の最適化】

・ロールプレイングの時間73%削減

・AIによるスキルスコアリングにより、個人の弱点を可視化

 

【営業精度の向上】

・セールスオペレーション工数を削減

・未入力データの解消とデータの精微化により、商談受注率向上

 

 DX推進事業は、今後も新規のM&Aを積極的に行い、自社グループ内でのAI活用に留まらず、国内企業のDXを推進するため、同様の課題を抱える企業様への提供を拡大してまいります。「感覚」に頼る営業から「データ」に基づく営業へ、ミガログループで実践を通じて蓄積した「リアルなAI活用ノウハウ」を提供し、AI導入の障壁となるリソース・ノウハウ不足、パッケージでは対応しきれないラストワンマイルを解決し、リアルとデジタルの融合を加速する新しいビジネスを創造し、2029年3月期売上高100億円というチャレンジングな目標に向かっていきます。

 

 

今後の方針

2029年3月期グループ売上高1,100億円に向けて

 

 ミガログループは、2029年3月期グループ売上高1,100億円を目指して、今後の成長戦略に必要な資金を調達するとともに、財務基盤を強化し、事業のより一層の拡大を図っています。

 DX推進事業では、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の新規案件獲得やデジタルインテグレーションサービス・システム受託開発における案件受注の拡大で売上高50億円は目前であり、これにM&Aを成長戦略の一つの重要事項とする方針により、中期的に100億円を達成することを目指しています。この成長方針に対し、優秀な人材の積極採用やAIによる事業構築を行うための投資、顔認証IDプラットフォームのシステム開発、マーケティング活動などを計画しており、これによって目標を達成していきたいと考えています。

 DX不動産事業においては、安定投資商品としての収益不動産の認知度向上、ニーズの高まりは十分に感じており、また、安定的に拡大するDX不動産会員数という基盤、DXにより効率化された事業運営体制という成長に向けた土台は整いつつあります。そのため、強化された財務基盤を適切に活用し、間接金融による成長資金調達を交え、ストックデータとなるDX不動産会員数の拡大と物件の確保、その他必要リソースの確保を実現し、生産性の向上とともに目標である売上高1,000億円を目指していきたいと考えています。

 

 

株主様への還元

 

 株主様への主な還元である配当につきましては、収益の拡大とともに増配をしていくという基本方針は変えず、2027年3月期にかかる配当に関しては、中間配当3円、期末配当6円で年間配当9円という予想としています。

 今後も、企業価値向上に向け、株式の流動性に資する認知度向上のため、個人投資家IR・機関投資家IRともに強化するという方針のもと、前期に引き続き、積極的なIR活動を継続していきます。昨今は、PBRやROICなど株主資本に対する注目がより一層高まっていると当社でも認識しており、資本政策や株主の皆様への還元は当社の重要な経営課題の一つと認識しています。今後も柔軟な資本政策をとり、株主の皆様の満足度が向上するよう継続的に検討してまいる所存ですので、より一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

2026年5月