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2026年3月期第2四半期を終えて

DX推進事業は順調に進捗し、業績予想に対して好調に推移

代表取締役社長 中西 聖

 2026年3月期第2四半期の日本経済は、米国政府の関税政策による世界経済への影響など先行き不透明な状況の中、雇用・所得環境の改善と足許では新総裁への期待感から金融市場も旺盛な状況が続いています。

 このような経営環境の中、当社グループは、引き続きDXを基軸とした事業活動に加えてAIによる事業再構築にも積極的に取り組む状況となっています。事業ごとに見ますと、DX推進事業においては、収益性を高めるAIの活用と顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の導入拡大やDX人材の増加、グループ内シナジー発揮による顧客企業のDX支援(デジタルインテグレーション等)の拡大を継続してきました。これにより、DX推進事業の営業利益は一過性のM&Aコスト約60百万円の計上を除けば、収益性の向上により赤字は縮小しております。

 DX不動産事業においては、賃料上昇や低金利を背景とした堅調な収益不動産のニーズへの的確な対応と社内の組織・営業力強化、AIを活用した業務フローの再構築などにより自社営業販売数の増加が継続する状況となりました。

 これらの結果として、社内で掲げていた業績予想に対し実績は順調に進捗し、投資用物件の販売価格が想定より高い水準で推移していることから、当初業績予想よりも増益することを見込んでおります。

 

 

 

 

~大和ハウス工業の中高層賃貸住宅「ロイヤルパークス」「ロイジェントパークス」に顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」本格導入~

 

 

 

 

 DX推進事業では、顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD(フリード)」を開発し、2021年1月より当社グループにて開発するマンションへの全面導入を開始しました。2022年からは他社マンションに向けた導入も行っており、三菱地所レジデンスや長谷工グループ、野村不動産が開発する物件等への導入や日本リート投資法人が運用する物件への導入など、足許で飛躍的に実績を上げています。

 その中で、大和ハウス工業は2024年7月の初導入から約1年で、日本全国50棟を超える物件への導入が完了しており、今後は大和ハウス工業が展開する中高層賃貸住宅である高級賃貸住宅「ロイヤルパークス」シリーズ、都市型賃貸住宅「ロイジェントパークス」シリーズにも2026年1月より本格導入します。

 また、顔認証IDプラットフォームサービス「FreeiD」は、単なる鍵としての機能だけではなく、一つの顔IDをプラットフォームで管理することにより、「顔ダケで、世界がつながる。」という世界観の実現を目指しています。

 

 

 

 

~「PJ AXiS」からエンジニア発信のメディア「AXiS(アクシス)」をローンチ~

 

 

 

 

 2025年3月期の決算発表と同時に説明した当社グループの人的資本経営強化プロジェクトですが、当該プロジェクトの一環として、AIと人、技術と実装、そして“知”と“問い”が交差する場所として、「AIって結局、ビジネスで何ができるの?」「現場の人はどう使っているの?」といった声に応える、新しいAIメディア「AXiS」をローンチしました。SalesforceやAWSなどのクラウドサービス導入を含む、企業の業務プロセス改革・DX推進を長年支援してきた実績に加え、近年はAI導入・活用においても数々のプロジェクトを手がけてきたミガログループ各社において、AI実装の最前線に立つプレイヤーが記事を執筆しており、技術だけでなく企業のAI活用を加速させる“入り口”としてメディアを通して発信していきます。

 当社グループでは、今後ますます、デジタルインテグレーション事業としてのAI関連領域への注力を進め、生産性の向上とグループ内のデジタルインテグレーション事業がAIソリューション提供カンパニーになっていく成長戦略をもっています。

 

 

 

 

~2026年3月期の業績予想を上方修正~

 

 

 DX推進事業全体では、DX・AI関連人材の拡大とともに、顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の事業拡大に加え、企業のDXを支援するデジタルインテグレーション・システム受託開発の収益性拡大により、高い成長率を維持して業績を伸長しています。また、DX不動産事業においても、昨今の賃料の上昇による不動産価格の上昇や堅調な需要に支えられ、想定よりも強い業績進捗をしていることから、期初は様々な経営環境を考慮し保守的に業績予想を立てておりましたが、上期における業績の進捗が当初想定よりも強く、利益も順調に計上されていることから、DX不動産事業における販売戦略や人員戦略、広告戦略等を、またDX推進事業における投資戦略等を総合的に見直し、2026年3月期の連結業績の利益予想を、営業利益2,900百万円、経常利益2,170百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,320百万円へ上方修正しました。

 

 

今後の方針

調達資金を活用した事業拡大で2029年3月期のグループ売上1,100億円を目指す

 

 

 ミガログループは、2029年3月期グループ売上高1,100億円を目指して、新株式発行を通じて、今後の成長戦略に必要な資金を調達するとともに、財務基盤を強化し、事業のより一層の拡大を図ります。

 DX不動産事業においては、外部環境を見ると、安定投資商品としての収益不動産の認知度向上、ニーズの高まりは十分に感じており、また、安定的に拡大するDX不動産会員数という基盤、DXにより効率化された事業運営体制という成長に向けた土台は整いつつあります。そのため、ストックデータとなるDX不動産会員数の拡大と物件の確保、その他必要リソースの確保により前倒ししていくことを考えながら、事業の推進をしています。

 DX推進事業では、M&Aを成長戦略の一つの重要事項とする方針は変わっておらず、これに加え、更なる顔認証IDプラットフォーム「FreeiD」の新規顧客開拓やデジタルインテグレーションサービス及びシステム受託開発における案件受注の拡大で早期に売上高50億円を超え、中期的に100億円を目指す成長性を維持して、事業に邁進していきます。

 

 

 

 

株主様への還元 期末配当5.5円に増配

 

 

 2026年3月期の配当に関しては、従前からの配当方針をベースに中間配当3円、期末配当5円と合計で8円、前期比1円の増配を予定していましたが、好調な事業環境により想定より業績の進捗が良いことから、内部留保、自己資本比率、資金調達環境、資金水準を総合的に勘案し、1株当たり期末配当金を当初予想配当金から0.5円の増配予想とさせていただくこととしました。これにより、2026年3月期の年間配当金は、中間配当3円、期末配当5.5円、合計8.5円となります。

 また、2026年3月期の株主優待については、DX推進事業の成長に応じて、前向きに検討する予定でいます。

 今後につきましても、企業価値向上に向け、株式の流動性に資する認知度向上のため、機関投資家IR・個人投資家IRともに強化するという方針のもと、前期に引き続き、積極的なIR活動を継続してまいります。昨今は、PBRやROICなど株主資本に対する注目がより一層高まっていると当社でも認識しており、資本政策や株主の皆様への還元は当社の重要な経営課題の一つと認識しています。今後も柔軟な資本政策をとり、株主の皆様の満足度が向上するよう継続的に検討してまいる所存ですので、より一層のご支援を賜りますよう、何卒よろしくお願い申し上げます。

 

 

 

2025年11月